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コラム・特集

「メッタ蹴り! 〜あなたのキックが地球を救う! 〜」 NPO法人メタボランティアによる被災地支援の一例

2011年3月23日、東日本大震災後、間を置かずしてNPO法人メタボランティア(以下メタボランティア)が実施した被災地支援イベント「メッタ蹴り! 〜あなたのキックが地球を救う! 〜」。キックボクシングをして放出した余分なカロリーを、必要なところに届けようというユニークな切り口の社会貢献活動だ。参加者はトレーナーの観察下のもと、30秒間ミットにキックをし続ける。そのエネルギー分を募金換算しようというわけだ。参加費用は30秒間で150円。1キロカロリー消費が10円の募金となり、1人あたり約15カロリーを消費する計算。参加費はすべてNGOピースウィンズ・ジャパンを通して被災地へと支援された。

「メッタ蹴り! 〜あなたのキックが地球を救う! 〜」 NPO法人メタボランティアによる被災地支援の一例

キックボクシングの運動強度はかなり高く、30秒という短い時間で全力を出すため、運動後も高い心拍数による余波効果として、実際の運動量以上のカロリーが消費される。結果、効果を感じやすく、比較的満足度を得られやすいスポーツなのだそう。トレーナーの指導の元でではあるが、ミットがあれば身ひとつで行なえるところも、大人から子どもまで広く参加してもらいやすい。

メタボランティアは、ほかにもボーリングやフットサルなどのスポーツを媒介にした社会貢献活動を広く行なっている。現在世界では、肥満で困っている人が10億人、飢餓で困っている人が10億人いるそう。この、ほぼ同数の人がまったく逆の健康状態で困っているという現実に着眼し、世の中の余ったエネルギーを、足りない人たちに渡す仕組みを考案・啓発、この不均衡な状態を正し、健康人口を増やすことを目的として、組織化された。もともとは世界レベルの飢餓を支援している団体だが、突如として起きた東日本大震災の際にも、日常のノウハウを活かして迅速に活動がなされた。特筆すべきは、参加者が支援の実感を得られるということ。ただ募金をするだけでなく、実際に運動をしてカロリーを消費することで、日常の健康管理への意識も高まるし、余分に取りすぎた栄養を心底ほしがっている人たちが世界にどれだけいるかという理解を体感することもできる。ともすれば時間のかかる遠回りな支援策とも思われがちだが、これは傍観者をつくらない秀逸でやさしい社会貢献の一例だ。

「メッタ蹴り! 〜あなたのキックが地球を救う! 〜」 NPO法人メタボランティアによる被災地支援の一例

古ビルを既存再生したオープンスペース兼カフェ「nitehi works」 (写真はHPより転載)

ちなみに今回の会場は、今年6月12日、古ビルを既存再生したオープンスペース兼カフェ「nitehi works」(横浜市中区若葉町3)。2010年度の横浜市空き店舗活用認定事業の一環として、昨年10月に閉鎖された築44年の3階建て廃ビルを改修し、アーティストやクリエーターなどの拠点として新しく生まれ変わった注目の空間だ。“nitehi”は、孟子のことば“似て非なる”から引用したそうで、「外見は同じように見えても実質は違うもの」という意味をもつ。また、「この場と交わることで違ったものになる“こと・もの”を探し、検証するためのスペース、という意味もあります」と、nitehi worksの笠原氏。同施設では主にはアート、音楽、演劇など表現者の実験・発信、そして今回のような地域交流をテーマにしたイベント(スポーツを含む)などを今後も開催していくとしている。

 

(2011年7月7日 小松静)

 

 

担当者コメント

NPO法人メタボランティア 竹田氏より

“メッタ蹴り!”は、手軽に短時間で効果を実感しながら、ミットキックで行なう社会貢献プログラムということで、開始当初より大きな反響がございました。そして、誰でもできる社会貢献として幅広い方々に体感いただき、お子さまやファミリー、ビジネスパーソンや女子大生、そして外国の方々など、これまでの4ヶ月間で約300名にご参加いただくことができました。

FACEBOOKにスナップも掲載しております。
http://www.facebook.com/metavolunteer

ご参加いただいた方のほとんどに、このプログラムの効果と意義をとてもよく理解していただき、「スッキリした」「楽しかった」「元気になった」「良い運動になった」「こんなに疲れるとは思わなかった」「もっとやりたい」「これが支援につながるなら、いろんなところでどんどんやってほしい」「現地にかけつけることだけでなく、こういったかたちで現地に行かなくても支援ができるのは素晴らしい」といったみなさまの温かいお声をいただきました。またこの活動を応援してくださる企業や格闘技団体様、個人の方々なども増えてきましたので“メッタ蹴り!応援プロジェクト”を立ち上げ、現在は、法人9団体、個人(メッタ蹴り隊)は6月末時点で約60名となっております。
http://www.metavolunteer.com/event/kick/000230.html

そして、これまでのメタボランティア、メッタ蹴り!の活動を通しまして、スポーツしながら食糧支援や災害支援などの社会貢献に繋げるというところまではある程度できたという実感がございます。

今後は、健康人口増加を目指すため、肥満解消や成人病予防という点もより強く打ち出し、スポーツイベントと健康診断や計測会、講習会などを組み合わせたイベントなども実施し、健康面でもより効果の高いプログラムにして参りたいと思っております。

 

問い合わせ先

■特定非営利活動法人 メタボランティア
Mail: info@metavolunteer.com
URL: http://www.metavolunteer.com/

■ART WORKS  nitehi works
似て非worls株式会社(横浜市中区)
Tel:045-334-7446
Mail: mail@nitehi.jp
URL:http://www.nitehi.jp/