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コラム・特集

東京アート アンティーク ~日本橋・京橋美術骨董まつり~ 東京イーストエリアの老舗アートイベント

1998年より年に1回から2回開催されてきている「東京アート アンティーク〜日本橋・京橋美術骨董まつり」が2011年も開催された。

会期は4月28日(木)から5月1日(日)までの4日間。東京都中央区日本橋、京橋地域の美術店・画廊65軒に加え、三越日本橋本店、日本橋タカシマヤが参加した。美術店・画廊を拠点としたアートイベントとしては日本最大。初日の木曜日には、日本橋地域(日本橋〜京橋1丁目)、期間中の土曜日は京橋地域(京橋2丁目・3丁目、銀座1丁目)に店を構える参加美術店・画廊が店舗営業時間を夜7時までとして、初夏の1日をゆったりと美術店・画廊めぐりができるよう配慮された。また、週末の土曜日、日曜日もオープンし、訪れた人たちに各美術店・画廊独自のもてなしで、アートに親しむ機会を提供した。さらに、会期中は、俳優・中尾彬氏と池波志乃氏による講演会、美術史家・華道研究家である武内範男氏による生け花のライブパフォーマンスと展示、ギャラリートークなど、ビギナーからベテランコレクターまで参加しやすい関連プログラムを用意して好評を博した。

古美術・骨董・絵画に対する興味と関心は、近年幅広い世代で高まってきており、愛好家も増えている。しかし、それらの作品に実際にふれる機会は日常的には少なく、また興味はあるけれどどこにいけばいいかわからない、あるいは格式の高い美術店・画廊に入るのは気後れしてしまうといった人が多いのが現状。本イベントは、そんな背景をふまえ世代を問わず、国内外の多くの人が、日本の美術・骨董に親しみ、作品にふれる機会を創出し、その魅力を現代に引き継いでいくことを目指すものだという。

そもそも、東京都中央区の京橋・日本橋エリアは、戦前から古美術・工芸・日本画・近代絵画・彫刻・版画などの専門店が多岐にわたり集積する、東京でも銀座に次ぐ個性豊かなアート密集地だったようだ。今を遡る1872(明治5)年に新橋〜横浜間(29km)をノンストップ(53分)で走る日本最初の鉄道が開通する。これにより、地方からも一層人の流れが東京へと集中したが、新橋〜日本橋間の交通機関が特になかったため、必然的に歩く人の多い、賑やかな通りとなった。そしてこの地域に進出した企業の、応接室等に飾る古美術や骨董のニーズが高まり、京橋1丁目から日本橋3丁目辺りまで、多くの古美術店等が店を開き、現在では全体で約150店が集中するまでになったのが由来だという。

若い世代には、ふって沸いたように立ち並ぶアートな通りだが、こんな歴史を感じながら歩いてみるとまた違った発見や、未来に引き継いでいきたい大切な何かがみつかるかもしれない。年々、東京アート アンティークに訪れる若者たちは増えてきており、実行委員会は「店主のセンスによって作り上げられた空間でゆっくりと作品と触れ合えることが他のアートイベントと違い、大きな魅力となっているのではないか」と分析。次回は2012年4月下旬の開催を予定しており、「本イベントを満喫していただけるよう、多彩な企画をご用意する予定。平日には足を運べないという方々にとっても、美術館級の作品から普段使いのお手頃な品々を一同に見て回ることができるチャンスです」と話している。

東京アート アンティーク ~日本橋・京橋美術骨董まつり~ 東京イーストエリアの老舗アートイベント 東京アート アンティーク ~日本橋・京橋美術骨董まつり~ 東京イーストエリアの老舗アートイベント

(2011年7月29日 小松静)

開催概要

日程 2011年 4月28日(木)〜5月 1 日(日) 10:00 ~ 18:00 

※4月28日→日本橋〜京橋1丁目は19:00までナイトタイム営業

※4月31日→京橋2丁目・3丁目、銀座1丁目は19:00までナイトタイム営業

エリア 東京都中央区 京橋・日本橋を中心とした地域
参加美術店・画廊数 67
主催・運営 東京 アート アンティーク 実行委員会

問い合わせ

東京 アート アンティーク 実行委員会
mail:info@tokyoartantiques.com
URL:www.tokyoartantiques.com