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コラム・特集

「使用目的やコンセプトを多様化した、新業態カフェの潮流」(20190325)

カフェの本来の利用目的は飲み物や食事、また休憩や会話等と思われるが、本来の目的以外のものを加味したもの、カフェの使用目的やコンセプトを多様化した新しい形態のカフェが、このところ出現し注目されている。
動物と触れあったりできるもの(ネコカフェ、ふくろうカフェ等)、アニメのキャラクターとのコラボカフェ(ガンダムカフェ、ポケモンカフェ)などは以前から多く見られている。
それらと平行して、カフェの空間のあり方そのものに付加価値や新しい提案を付加するものも見受けられる。それらは、大手企業の新規事業進出や、小資本企業の挑戦であったり様々であるが、そこには現代の生活者の価値観に対応したものや、スタートアップを目指す若者に対する支援であったり様々である。今回はそれらのカフェの潮流について数店舗の事例を紹介する。

○【ネスカフェ 睡眠カフェ】 ~休みの究極~
現代人の睡眠問題とコーヒーの飲みわけをテーマとし、生活の質を高め健康的なライフスタイルを提案する。
現代のビジネスマンらのひとつの問題となっている「睡眠」に注目し、コーヒーを提供しながら良質の仮眠や睡眠を提供するというもの。
各コースが設定され、カフェインレスコースとカフェインを含むコーヒーを提供。フランスベッド製の最高級マットレスやレザーリクライニングチェア、心地よい睡眠導入のためのハイレゾ音源対応スピーカー、睡眠、目覚め時の明るさや色をカスタマイズできるIoT照明、睡眠中の脳波をモニタリングする睡眠計測アイマスク等を用意。
30分から3時間の仮眠・睡眠コースがありコーヒーのタイプや杯数を選択できる。

事業主体 ネスレ日本(株)
東京都品川区
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○【CAFE&SPACE L.D.K】 ~独立したコミュニケーションスペースとワークスペースを併設~
コンセプトは“みんなのたまり場”
普通の料理やドリンクが楽しめるカフェの他に、街のリビングとして、友達や家族との団欒やワークショップや習い事等、多目的利用ができる「レンタルスペース」と勉強や仕事など作業に集中するためのスペースとして利用できる「ワークスペース」を併設。

事業主体 小田急電鉄(株)・小田急不動産(株)
川崎市麻生区 
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○【FabCafe】 ~作業場、コ・ワーキングスペース~
人が集い、人が出会い、人が繋がる空間のカフェにいながら、にレーザーカッター、3Dプリンター等のデジタルデータを利用したものづくりマシンを設置し、ものづくりができる空間。厳選された豆を使ったスペシャルティコーヒーに専属パティシエによる手作りスイーツを提供しながらネット回線と電源を無料開放しコ・ワーキングスペースとしてのル用も可能。
また、年間多くのワークショップやミートアップ等のイベントを開催し参加者同士のコミュニケーションを促進している。

事業主体 (株)ロフトワーク 
現在、渋谷・飛騨・京都の3店舗
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○【スターバックス リザーブ ロースタリー】 ~コーヒーを極めるための大型店舗~
多目的化のカフェが現れている一方、店舗数1,400店舗と巨大チェーンであるスターバックスは、1階から4階まで吹き抜けの空間に巨大なコーヒー豆の貯蔵庫や焙煎機を備えた旗艦店を開店。「つきぬけたコーヒー体験ををできる場所」として打ち出し、日本におけるスターバックスのイノベーションのハブ(中核)と位置づけ、スターバックスの魅力を表現する拠点としての新店舗としている。

事業主体 スターバックスコーヒージャパン(株)
東京・目黒区
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このほかにも異業種がコラボした新業態のカフェや、カフェ業以外の企業が自社の資源を活用して新しい打ち出しを試みたカフェ等も見られることから、今後、どのような企業が様々な価値観を提供する新業態カフェの登場に注視することは肝要と思われる。